it は前の文の中に出てきた特定のものを表すのに使うよ。
<a (an) + 単数名詞>でも、話し手や聞き手にとって特定できるものであれば it を使うことができるんだ。
it の用法
さて始めていきましょう。
前に出た特定のものを表す it
I saw that TV program yesterday, but it was not interesting.
昨日そのテレビ番組をみたけど、面白くなかったわ
Nana の話している例文の that TV program = it です。
it は前の語・句・節を受けることができますが、基本は「前に出た特定のものを表す」ということを覚えておけば大丈夫です。さらに詳しい内容はもう一歩上の段階になります。
● A wild dog attacked me, but it ran off right away.
▶ 一匹の野犬が私に遅いかかってきたが、すぐに逃げてしまった。
このように、<a (an) + 単数名詞>であっても、話し手や聞き手にとって特定できるものである場合には it を使うことができます。
it の特別用法
it は、時間・天気・寒暖・明暗・距離などを表す文の主語として使われるんだ。
この時の it は何かをさしているわけではなく、日本語に訳すこともできないよ。
順番に例をあげていこう。
◆時刻◆
● It‘s eight in the morning in Tokyo.
▶ 東京は朝の8時です。
◆曜日◆
● It‘s Monday today.
▶ 今日は月曜日です。
◆日付◆
● It‘s November 26th today.
▶ 今日は11月26日です。
◆季節◆
● It‘s winter now.
▶ 今は冬です。
◆時間◆
● How long does it take.
▶ どのくらい時間がかかりますか。
◆天気◆
● It is rainy in Tokyo today.
▶ 東京は今日雨です。
◆寒暖◆
● It is hot today.
▶ 今日は暑いです。
◆明暗◆
● It is getting dark outside.
▶ 外は暗くなってきています。
◆距離◆
● How far is it from Tokyo to Osaka?
▶ 東京から大阪までどのくらい離れていますか。
漠然とした状況を表す it
話し言葉の決まった表現で、特に何もささない it が使われることがあります。
● I made it. / I did it.(やった!)
● How is it going?(元気?)
● Did you make it?(うまくいった?)
● It‘s your turn.(あなたの番ですよ)
● Take it easy.(落ち着いて/じゃあね)

one の用法
it が 前に出てきた<the + 名詞>で表される特定のものを受けるのに対して、one は<a (an) + 名詞>の代わりとして使われるんだ。
one は不定代名詞のひとつだよ。他には another, other, something などがあるよ。
I lost my umbrella. I have to buy one.
傘をなくしちゃったわ。ひとつ買わなくちゃ。
Nana は、自分の傘をなくしてしまいました。これから買う傘は、不特定のものであるため one が使われています。
なくした傘は Nanaの傘なので特定のものなのですが、これから買う傘は「どれでもいい1本の傘」なので不特定のものを表す one を使います。
one の前に this, that, which や形容詞がつくこともあります。
<形容詞 + one>の場合には、冠詞の a (an) や the をつけたり、複数形の ones が用いられます。
● I don’t like this one. Please show me a black one.
▶ これは好きではありません。黒いのを見せてください。
● I like red flowers, but she likes pink ones.
▶ 私は赤い花が好きですが、彼女はピンクの花が好きです。

This is one of my favorite TV programs.
これはぼくの大好きなテレビ番組のひとつだよ
<one of + 複数形>
one of の後に複数形の名詞がくると「~の中のひとつ」という意味になります。